豊洲移転と小池百合子都知事の誤算

「盛り土。こんなはずじゃなかった。」

 

小池百合子氏の都知事選の選挙活動を思い出してみて、

印象に残るのは「緑色の物を身に着けて来て下さい」という、

選挙戦術。

有権者との一体感を生みだそうとしたのでしょう。

また、自民党との対立構造を強調し、

自民に見捨てられた悲劇のヒロインとでも言いたげでしたね。

人心掌握に長けていても、都民の利益を優先した都政を

運営するとは限りません。

 

あと、築地市場豊洲移転を公約していたと記憶している方も

いらっしゃるかもしれませんが、

「移転は、一度立ちどまって考えなければならない」

とは発言したものの、「移転を中止する」とは言ってません。

ここに、小池百合子候補の移転を中止に対する

本気度が表れていたように思うのです。

私の邪推かもしれませんが、汚染調査をすれば、

移転に問題なしという結果が出て、移転を実行する。

そういう計画だったのではないでしょうか。

 

しかし、調査の結果、例の盛り土問題が明るみになり、

計画の修正を検討する必要に迫られていることでしょう。

それでもなを、移転を中止するのではなく「延期」したことに、

私は、小池都知事の本気度を疑っています。

 

ここで、中止の判断を下せば、小池劇場は更に盛り上がり、

東京都の闇に立ち向かったヒロインとして、

確固たる信頼を築き上げることでしょう。

無論、移転を実行したとしても、何か理由づけして、

正当化するわけです。

そもそも、「移転中止を明言」してはいないので

公約違反にはなりません。

 

何せ人心掌握に長けている小池百合子氏のことです。

何があっても、都民やメディアの支持を失わない自信が

あるのかもしれません。恐るべし、小池劇場。

 

追記。豊洲の問題は、汚染だけではなく、交通インフラ、

市場の使い勝手の悪さ(割り当てられるスペースが狭くて

マグロの解体ができない)もあり、その点は、

汚染問題の影に隠れてしまってますね。